MAGIQLIP

というわけで、ほぼヤマハミュージック中島みゆきコンテンツ専用に MAGIQLIP を使いはじめて1週間近くたつので、感想を纏めてみるのもいいかも知れない。ちなみに、コンテンツは「どんな曲だっけ」といった程度にダウンロードしていて、ある程度繰り返して気に入ったらCDごと買うとかいう、自分でもある意味ブルジョワ的だと思う使い方をしております。

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欠点として、まずは ATRAC3 のもつ微妙な音質 (中音域〜高音域が耳につく) というのが目立つ。販売時にビットレートを選なせるか、それができないならもっとよい音質にしておいてくれればいいのに。まぁ視聴的な目的で聞くなら問題はないんだけど、本格的に聞くならやっぱりCDだなぁと思ったり。
あとは、プレーヤーの機能が貧弱すぎて、ダウンロードした曲を一括で五十音順に演奏するだけならできるんだけど、アルバムごとにまとめたり、1回きりの順番に演奏させたり、イコライザで低音だけ持ち上げたりといったこと、つまり最近のフリーウェアレベルで手に入る機能のほとんどがまったく利用できないのも問題か。
さらに、ダウンロードしたPCでしか再生できない上に、暗号化の段階でフォルダ名を使っているらしく、曲によってはダウンロードされたフォルダ以外では再生ができなかったりする。…ので、今使っているPCには普段使わない C:\Documents and Settings\All Users\My Documents\My Music\MAGIQLIP2\ とかいう深い階層のフォルダができているですよ。著作権云々とか言ってるわりには All Users に入れるんだなぁ、などと興味津々です。

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対して、メリットといえば、一曲ごとに数百円単位でダウンロードできるってことか。まぁだからこそ、アルバムとして演奏リストを保存したりという概念がないのも理解できるんですが。でも、アルバム全体でまとめ割り引きとかあってもいいとは思う。
ただ、メリットってそれくらいかなぁ…。

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つまり、現在のコピーコントロール系の技術でもっとも深刻な問題なのは、ユーザーから選択の自由を奪っているところなんじゃないかな。好きなようにリッピングエンコーディングできれば音質は自分が満足できるところに落ち着くはずだし、好きなプレーヤーも使うことができる。好きな端末で演奏もできる。ま、そこを権利の侵害と叫ぶだけなら誰でもできるんですがね。
まぁ、中島みゆきの曲はあとで結局CDも買っているので、音質とかはとりあえず問題なしなんですがね。でも、俺みたいな素人耳でも判別できる程度の (というか激しい違和感を感じるような) 低音質のコンテンツで金を取るのはいかがなものかなぁ。やっぱり悔しいといえば悔しいなぁ。
さっさと DVD-Audio に移行しませんかねぇ。コスト的にはそんなにかわらないはずだし。(まぁ、それをレコード業界がやろうとしないのは、旧態依然の体質だってのと、実際にそれをやったら「DVD-Audioにするほどの価値が見受けられない」とか「DVD-Audioなのに、容量の半分以上が空き」とかいう状況が発生する -- つまり現在のレコード業界の欠点というかなんとか隠蔽してコピーガードやCD技術のせいにしていた欠点がすべて浮き上がってくるからなんだろうなぁ、と言う程度の想像には難くない)