動的周期表

宇都宮大学の矢野さん による、動的周期表 (要Java)。
着想自体はいいと思う。確かに、周期表に載っている情報は、物理条件によって変化する。ただ、使い方によっては危険なソフトウェアにもなりうる。写真という、いわば「本物」と同じレベルでボーアモデルの電子軌道を表示させ、あたかもそれが「本物」の情報であるかのように見せているから。
あくまで本物にしたいならちゃんと雲状の電子雲を表示するべきだし、それができないならはじめから脚注で良いから「これは古典的な物理モデルによる概念図であり云々」という注意書きを書き入れるか、いっそのこと電子軌道を表示しない方がいいと思う。写真があるのが悪いのか、それともモデルが悪いのか? …本当はどちらも悪くはないはずなんだけど、同列に扱うのはやっぱり。
もう一つ、温度を変えると「単体で気相/液相/固相」という状態が変化するのはおもしろいけど、よく考えると「圧力条件は…?」とか「雰囲気(周囲を覆っている大気だとかの条件)は?」などと思ってしまう。まぁ高校生とかが使うことが想定されているとは思うので、高校の教科書に書いてある範囲ではあるんだけど、せっかく「もっと正しい(とされている)ことを知っている大人」が作るんだから、そのあたりを見せてあげればよいんじゃないだろうかなぁ。
(やっぱり個別に叩いているように見える気がするので後半ばっさり削除)
余裕ができればインターフェイス周辺も改善されればいいね、と。
批判するつもりはないし、ウェブ上にそういう動きがあるのはいいことだと思う。でも、誰でもアクセスができるからこそ、慎重に。そして使いやすく。